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FalseIslandという定期更新型ゲームに参加中の、リコ・メルシェ(1227)の日記の保管とかPLの戯言とかです
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丸月黒三角の日 見えない未来
(記録者:グラスレイ)



 遺跡内を淀んだ風が吹いている。
屋内では普通風など起こるはずがない。
どこかの壁に大きな穴でもあるのか、それとも近くで戦闘でも起きているか。
どちらにしろそんな風によって俺の心はどんどん沈められていった。
俺はうつむいたまま、いつまでも変わらない砂の道を見つめている。
 予想と結果がまるで噛み合わない。
踏み出せなかったときはそれが間違い。
踏み出したときはそれが間違い。
タイミングが悪すぎる。
しかし後悔したところでもう遅い。
予定は決まってしまったのだ。

      墓場
 さぁ、練習試合へいこう。
決まってしまった以上はもうどうしようもない。
この予定は変えることができないのだ。
 落ち込んでいるだけでは終われない。
おそらく彼らはこの後残りのパーティと戦うだろう。いや、そうであってもらわなければ困る。
俺はこの失敗を何とか拭うために、次の戦いを盛り上げるためのある秘策を打ち出しているのだから。
 秘策、と言っていい物かは分からない。実際それは戦術とは何ら関係のないものなのだ。
秘策と言うよりはただの演技に近いかもしれない。
それは俺がある国で学んだ風習。
 その名も『噛ませ犬』。
何でも強大な者同士が戦う前には、必ず弱い者がどちらかを引き立てるためにあえて負けに行くのだという。
一体何がやりたいのか俺には分からないが、その国の人々にとってはそれが良いのだそうだ。
もう少しその理由を聞いておけば俺も楽しめたのかも知れないが、残念ながらその時はそんな時間はなかったのだ。
 細かな事情は置いておくとして、これだけいろんな所から冒険者が集まる島だ。
もしかしたらこの風習が伝わる奴らが一人や二人はいるかもしれない。
そんなわけで、適当に噛ませ犬の演技を復習してみることにした。
まずは威勢のいい態度だ。
この態度はデカければデカいほどいいらしい。
 俺達は敵にあったらまずその実量を量る。
だが、噛ませ犬はそれをしてはならない。
絶対的に自分の実力が上であるような態度で相手を挑発するのだそうだ。
この時相手を罵れば罵るだけ噛ませ犬ポイントが上がるそうなのだが、
さすがに現実で初対面の相手にそれは、ないよな。
この風習が伝わらない可能性もあるのだ。
無駄に怒らせて練習試合が本物のデュエルになっても困る。
この際ここでのポイントは低くても良いだろう。
 次はやられ方だ。
聞くところによると、一撃で倒されるのが一番ベストなのだそうだ。
だが、残念ながらそれは出来ない。
俺だってこの練習試合で試したい技やらいろいろがあるのだ。
そう簡単に倒れるわけにはいかない。
 そもそも今の俺にはレィレがいるのだ。
こいつが敵を翻弄している間はまず俺が倒れることはない。
となると、どれだけ上手く散ることが出来るかが問題となってくる。
時間はかかっても、出来るだけサクッと倒されればいいのだ。
攻撃を受け始めたら即撃沈。そんな感じだろうか。
ちょっと相手の戦力を見てこよう。

 剣士が二人と、札使いが一人だろうか。
でもなんだろう。何だかどの武器からも魔力っぽいのが感じられたのは何故だろう。
だめだ。ここは何も考えないようにしよう。
考えたら足が震えてしまう。

 とりあえずやられ方は嫌でも上手くいきそうだ。
最後のポイントは格好らしい。
出来るだけ派手な格好をしていれば良いらしいのだが、さすがに服装に代えはない。
となると、今ある持ち物で出来るだけ派手な格好をしなければならない。
だが、昨日も日記に書いたとおり身につけられる物の数は限られている。
こうなるともうどうしようもない。
ここでのポイントを稼ぐのは諦めよう。
 ただ、せめてもの抵抗で頭に乗せていた長靴を上下逆さまにして乗せ直しておいた。
とりあえずこれなら噛ませ犬検定3級ぐらいは取れるだろうか。よし、頑張ってこよう。


 とりあえず練習試合の問題はどうにかなったので、今度は今日の移動について悩んでみよう。
今までのような見晴らしの良い直線の連続はこの辺りで終わりらしい。
俺の進む先は、大きな壁によってその姿の殆どを隠されていた。
その先にあるのは、平原か、砂地か、それとも床か。
俺の体力ならば、今は壁に隠れている所まで今日一日で歩いて行けるだろう。
だが、肝心な曲がり角を曲がった先に何があるのか、それが分からないのだ。
微かに砂地のようなものが見えているが、それもどのような広さなのかはとても推測できない。
進むべきか、それとも安全をとって今見えている砂地で止まるべきか。
 この遺跡に入って数日。
踏み込んだ当初なら、俺はこんなにも悩んだだろうか。
一度は深い森に入ったことだってある。
敵を深追いしすぎた結果だったとはいえ、あのときの俺なら今の状況でも迷わなかったはずだ。
この数日で随分と腐ってしまったものだ。
あのころの俺は一体どこへ行ってしまったというのか。
 だが、俺に起こったこの変化も必然と言ってしまえばそうなのだ。
人間は守るべきモノがあると弱くなる。
たまに強くなる例外もいたりするが、それは非常に希なことだから置いておこう。
大抵の人間は弱くなるのだ。
その何かを守るために臆病になる者もいる、卑怯になる者もいる。
俺の周りの状況はこの遺跡に入った時とは違う。
俺にもそんな弱くなった奴らと同じように、守るべきモノが出来てしまったのだ。
 本当ならばどんなところでも一人で進む方が気も楽なのだが、現実はそう上手くはいかない。
今までの経験から言っても、特にこのような妙な場所では妙な奴らと共闘することが大概なのだ。
レィレは普通の猫だからまだましだが、俺には何か妙な生き物を引き寄せる才能でもあるのだろうか。
 とりあえず過去のことは置いておこう。
そんな妙な才能だって、邪魔になっているわけではない。
今の俺にとって、レィレの存在は大きい。
一人で戦いたいと言っても、実力が伴っていなければそれはただの戯言だ。
実力がない間は、その願望は捨てなければならない。
今の俺が良い例だ。
奥に進むに連れて獣は強くなっていくが、その早さに何とか追いつけている程度。
そんなギリギリのラインでは、いつ負けてしまうか分からない。
 だが、一人で勝てないならば徒党を組めばいい。
数も力となるのだ。
それを利用して、『俺達』は何とかこの辺りの獣ならば難なく倒せる実力を保っている。
 もし万が一、床などに踏み込んだ結果レィレを失うことになったら。
残念ながら悲しいだのと言った感情は持てないだろう。
レィレもかつては敵、そもそもこの遺跡の生き物だったのだ。
今も決して相棒などと言った綺麗な言葉で表せる関係ではない。
俺が日記を書いているこの時だって、俺の首をその爪で狙っているのかも分からないのだから。
だが、戦力として考えるとその爪がなくなるのは非常に痛い。
痛い、と言うよりは壊滅的だろうか。
 ともかく今の状態で一人になることは出来ない。
そんな事情から、俺はもう危険を伴う場所へ足を踏み入れることが出来ないのだ。
 だが、前に進めない者が財宝を手にすることも難しい。
前に進めば獣に負ける。進まなければ同業者に負ける。
残酷な選択肢だ。
どちらを選んでもいい結果にはたどり着けない。
何か他の、今の状況を打破するような選択肢はないだろうか。

 砂の城を二、三個作り上げた辺りで良い案が浮かんだ。
これもまたある国の流行から考えついたものなのだが。
その国では「つもり貯金」というものが流行っていた。
何でも、お金を使うことを妄想に止めて、その分を貯金するのだという。
お金をつい使いすぎる人にとっては良い考え方かも知れない。
尤も、俺達のようにいつ死ぬか分からない職業の者にとってはどうでも良い工夫でしかないのだが。
しかし俺はそのような俺とは無関係だった流行を、俺達にも適用出来るように進化させた!

 その名も、つもり特攻
実際は怖くて足を踏み入れられなくても、心の中で踏み入れたイメージを描く。
それによって、前に進もうという意気込みを失うことなく、かつ安全な戦いを維持することが出来るのだ!
なかなか斬新なアイデアが浮かんだと思う。
 そんなわけで、早速つもり特攻を試してみた。
不明地点に特攻したつもりになってみた。


 だめだ。何だか青い光にもの凄く照らされたつもりになってしまった。眩しい。
良いアイデアだと思ったのだが、どうやら意外な盲点があったようだ。
何だか今も体の節々が麻痺しつつ火傷を負った錯覚に襲われている。
つもり特攻は心臓に悪いことがよく分かったので、明日からは止めておこうと思う。
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