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FalseIslandという定期更新型ゲームに参加中の、リコ・メルシェ(1227)の日記の保管とかPLの戯言とかです
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円月罰日 晴れてくれてありがとう。



日記帳を拾った。
持ち主には申し訳ないが、ちょっとめくった。
かなりパラパラとめくった。
最後までハラハラとめくった。
クライマックスに涙した。

















ただ、この日記帳は新品だった。





誰の物か分からないので、折角だから俺が書こうと思う。
いやごめん、実際もう書いてる。
頑張って坊主には勝ちたいようにしたい。目標四日。
明日もいい天気になると良いな。











 と、心地よく締めくくるつもりだった。
だが、そうするにはこの日記、あまりにも一日に書けるスペースが多かったのだ。一体どれだけ充実した一日を過ごせばこんなにも沢山書けるんだと言うぐらいに。ちなみに日記帳の大きさとかいろいろ細かいところは気にしない方が幸せに眠れるぞ。
 さて、困った。
 こんな物を埋め尽くすには相当な時間がかかるだろう。そして悲しいことに、俺はこうした物は最後までみっちりねっとり書かないと気が済まない性格なのだ。
 だがしかしこんな物を最後まで書いたら、それこそいざ戦闘があった時には手がイかれているに違いない。片手で斧を振るというだけでも威力が落ちるというのに、利き腕が筋肉痛でしたー、なんてとても戦う人間の言う言葉ではない。いや、戦わない人間だって利き腕は大切にするのは当然のことだ。間違ってもこんな危険な香り漂う島で、そんな失態は犯したくなかった。
 だが、吸い込まれるような白さの紙と、真っ直ぐに引かれた灰色の線が絶えず俺を誘惑している。一瞬でも気を許せば、それは俺の理性をその白さの中に優しく包み込んでしまうだろう。そしてその灰色でしっかりと出口を結んでしまうのだ。そうなれば俺はもうそれの虜だ。我を忘れて、ただそれに向かってペンを走らせるだろう。いけない。惑わされてはいけない。この日記を俺で埋め尽くせるなら――







 という訳で、仕方がないから俺が今持っている斧について書くことにした。理性は包まれたのだ。覚悟しやがれ魔性の日記帳め。破れるまで使ってやる。

 さて、その時俺は「東の果て」と呼ばれる国にいた。その国は別名「神々の住まう国」とも呼ばれているらしい。大層な名前に聞こえるが、実際その国に神様が住んでるわけではなく、神隠しと呼ばれる現象が頻繁に起こるからそう呼ばれているのだそうだ。神隠し饅頭とか売ってたからまず間違いないだろう。うまかった。
 ちなみに、偉い学者様が頭をぐるぐる回転させてのたまうことには、その国はほかの世界との位置関係上比較的不安定なところにあって世界同士の境界が薄くてなんちゃらかんちゃらどっかん。という訳でいろんな人が神隠されて怯えたり楽しんだりする愉快な国らしい。
 もちろん、その国から人とかいろいろが消えてばっかりと言うわけではなく、逆に異世界からも人とか物とかが飛んでくることも日常茶飯事なのだそうだ。現にそこの文化はあらゆる異世界のそれが色濃く浮き出ていた。要はごちゃごちゃになって何が文化かも分からない状態だったのだが。とりあえず目に入る物はどれも珍しく、なかなか飽きない国だった。
 そんなわけで、そこには珍しい物見たさに各地から観光客が集まるのだ。ちなみに、もちろん俺もそんな珍しい物見たさに立ち寄った一人だった。神隠しの危険も伴う観光ではあるが、フラリとその国に立ち寄ってる間に隠される確率なんて寝ぼけてベッドから落ちる確率よりも低いのだ。あぁ、布団で寝てる奴らにとっては例えが悪いな。布団に言い換えると、布団で寝てたはずなのにいつの間にか屋外で寝てる確率より低い、だろうな。
 そうそう、ここまでの設定は後々使うかもしれないからよく覚えておくように。結構楽しい国だったから書くこといっぱいなのだ。それが日記と呼べるかは白ですっぽり包み込んでおこう。
 そうだ、覚えやすいように纏めておくと、「東の果ては神隠しわんさか」だ。

 とまぁ、これぐらいで東の果ての説明は良いよな。大体旅行者用のパンフレットに書いてあったことは書けたはずだし。無駄なことだけはいくらでも覚えられるんだよなぁ、俺。あぁでも、神隠し饅頭のうまさは本心だ。
 というか、この国の説明はどう見ても文字数稼ぎでしかない。これから島を探索する俺達に、東の果てなんて小さな国の情報など必要ないのだから。
 だがこの日記帳を打ちのめすためには、俺はどんな卑怯な手段だって厭わない!

 ……それで、斧の話だったな。ようやく本題に入れた。その数日前に、俺は死闘の中でその前の得物をぶち壊されていた。その内容は割愛。どーでも良いことだし。それで、この斧は異世界から飛んできた「デパート」とか言う、本来は要塞だったと思われる建物の中に売られていたんだ。
 なんと「デパート」の中は動く階段やら何やらと、侵入者対策の罠で埋め尽くされていた。動く階段は特に危険だ。階段の終わりに落とし穴なんて作られたら逃げようが無いじゃないか。もちろん、この世界に来て商売用に改造された様子だったから、本当は罠なんて無いはずなんけどな。そこは冒険者のプライドが許さない。全力で階段を掛け上ったさ。滑りやすかったさ。
 そんな訳で幾多の罠をかいくぐり、満身創痍になりながらも俺は武器屋にたどり着いた。特に「滑りやすい階段」という罠に何度も引っかかった。5階分ぐらい転げ落ちたときは正直三途の川が見えた。
 そこで俺が見た物は、俺の今までの経験を遙かに凌ぐ神秘の武具の数々だった。
 真っ先に俺の目に飛び込んできたのは、巨大な斧。全長俺の身長+α。普段の俺なら、こんな物は使いこなせないとすぐにほかの物を物色していただろう。だが、それは違った。
 その刃に堂々と張り付けられた「」と書かれた紙。赤い文字で凄く強調されていた。
 普通ならばこれは何だ、と悩むところだろう。だが俺は知っていた。この文字の意味を。
 これは「安全第一」の略だ!
 人から聞いた話によると、それは異世界からもたらされた呪文で、唱えるだけで危険から身を守ってくれる言葉とされているらしい。便利だ。
 それが斧に張り付けられてある。その意味も俺は知っていた。「お札」だ。何でも、力のある者が念じるとただの紙にでも特殊な効果が付けられるとか。安全第一にお札の力。これは間違いなくただの武器ではない。持ち上げてみると、それは思いの他軽かった。まるで刃の重さが無くなったようだ。きっとそれがお札の力なのだろうとこの時は信じていたが、しばらくして俺は気づくことになった。このお札の真の威力を。
 だが、しばらくまではちょっと時間があるので普通に進めよう。近くでその札をよく見てみると、実際に札に書かれている文字は「安!! 30%OFF」だった。堂々と書かれても困る。この国の人々は正直だと聞いていたが、そこまで正直にしなくてもと思ったのは俺だけではないはずだ。気合い30%OFFで作ったと言うことが伝わりすぎる。
 そんな作品を売りに出せる術士の精神を一瞬疑ったが、これはまさか70%の力で十分だという自信の現れなのだろうか。100%の作品などお前達にやるにはもったいない。何とも挑発的な作品だ。少しの間悩んだが、その自信に敬意を表して買うことにした。いつか100%の気合いが入ったお札も見てみたい物だ。
 ところで、その隣には「カタナ」と呼ばれる武器が売ってあった。それはどうやら異世界の剣の一種で、とんでもなく切れ味が良いらしい。ただ、使い方を間違えるとすぐに壊れるという噂もあったが。もちろん俺は斧使いなので買いはしなかった。
 ただ、「カタナ」とその隣に並んでいた「イフ」との違いには非常に悩んだのだ。名前は似ているのだが、形状が全く違う。明らかにカッターナイフの方が小さく、そして短かった。そして何より、カッターナイフには刃がついていなかった。こんな物どうやって武器として使うのか。
 疑問に思って手にすると、驚いたことに突然何もなかったところから刃が伸びたではないか。これはあれか。持ち主の意志によって伸び縮みしたりすると言う特殊なカタナか。
 俺が伸ばせたのは柄と同じ程度の長さが精一杯だったが、達人になると隣で売ってあったカタナよりも長く、そしてきっと太くなるに違いない。異世界の技術力は恐ろしい。こんな武器を扱うような輩とは戦いたくないな。
 後から考えて気づいたのだが、きっと頑張れば凄く伸びる分、名前も長くなっているのだろう。異世界のユーモアもなかなか面白い物だと感心した。
 ちなみに、折角だから帰りは罠を覚悟で「エレベーター」という物を使ってやった。それは人が数人は入れるほど大きな箱だった。従業員曰くこの箱で下まで行けるというのだ。半信半疑で他の人が入り終えるのを待っていると、突然出口が閉まった。そしてあろうことか箱が動き出したのだ。他の人は平気な顔して喋っていたので、俺も平静を装っていた。一人だったらあの箱をぶち壊して逃げていたかもしれない。
 結局、そのときは無事に一階までたどり着けたが、次も同じ結果になるとは限らない。次からやはり階段を使おうと心に決めた。きっと「エレベーター」とは最新式の落とし穴を移動用に使っているだけなのだ。箱に閉じこめて相手を穴に落とすとは、随分念を入れた罠のかけ方だ。

 さて、買い物を終えた後いろいろと観光を楽しんだ俺は、次なる国へ移動するために船に乗ることにした。
 何でもその船というのもまた異世界から飛んできた物らしくて、俺の知っている木の船とは全く形式が違っていた。なんと見た目は金属の塊でしかないのだ。金属なんて重い物、水の上に置けば大抵は沈んでしまう。剣だって斧だって、沈んだからと言って女神様が取って金だの銀だの聞いてくれるほど世の中甘くはない。重い物は沈む。それが自然の摂理だ。それなのに、あれは人の何倍もある大きさで海に浮かんでいた。
 しかも金属の塊の中は異世界の技術で埋め尽くされていて、この世界の人間には何にも分からないらしい。異世界の使い手が飛んでこなかったため、まともには使えない。でも沢山人が乗れてかつ頑丈だからと強力な魔法で無理矢理動かしているという話だ。なんて強引な。
 偉い学者様に調べてもらったらすぐに分かるんじゃないか? そう思って船員に聞いてみたところ、学者達の中に海に興味がある奴はいないらしい。興味のないことを調べるだけの心のゆとりはないと。なんて気ままな人種なんだ、学者。
 そんなわけで、俺はそんな船と呼んで良いかも分からない金属の塊に乗って、大海原に飛び出すことになったのだった。

 さて、ここから先は明日に回そう。太陽も高くなってきた頃だし、そろそろ遺跡に入らないと他の冒険者――じゃなくて招待客か。それに先を越されてしまう。
 本来ならこれから遺跡に潜ってからの行動を実況中継さながらに書き写していきたかった。だが、悲しいことに俺の腕がそろそろ限界に達しているようだ。俺は人間に生まれてきたことをほんの少し後悔した。この程度の日記帳に破れてしまうとは、何とも情けない。
 だが、俺はまだ諦めていない。日記帳に負ける訳にはいかないのだ。だから俺は今から人間の限界を超越し(人間の限界を超越した文字で書かれているため、これ以上先は読みとれない)
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