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FalseIslandという定期更新型ゲームに参加中の、リコ・メルシェ(1227)の日記の保管とかPLの戯言とかです
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そんなわけで、

エルンスト=シュトレーゼマンさん(768)
メルセデス=シュトレーゼマンさん(769)
バルドゥイノ・ザ・ライトニングロッドさん(793)
コゼット・ブランさん(1057)

を無許可で間接的にお借りしました。
レンタル宣言とか全く気にせず書いたので、
苦情とかその辺が飛んでくる覚悟は出来てます。

折角チョコを貰ったのに、メッセでありがとー、だけでは終われない!
そんな自己満足の塊で出来てる文章です。
メッセージとかとの細かい矛盾点は気にしません。
勝手に借りちゃってごめんなさい。
チョコが送り手の想像と違ってるだろうけどごめんなさい。
食べ物を食べる描写とか実質初めてでしたごめんなさい。
バルドゥイノさんに至っては叫び引用だけでごめんなさい。

……そういえば、文章中で人名はぼかしたんですけど、
ここでばっちり名前出したら意味ないね!


七色ヴァレンタイン
 白いくて、丸い物体が二つ。
彼の手のひらでころころと、時にぶつかり、時に同じ方向に。
 時計の長い針がそろそろ疲れる頃だろうか。
グラスレイの口の端は、
釣り針にでも引っかかったのじゃないかと言う程あがりっぱなしだった。
 そんな様子を丸くなりながら見つめる猫が一匹。
その目には退屈がありありと浮かんでいた。

「いつまで観賞してるつもりですか?
 そんなことで溶かしてしまっては相手にも失礼ですよ?」

「いやな、あんまり簡単に食べるともったいないだろ。
 ある程度は目でも楽んどかないとな」

 とはいえ、確かにそろそろ十分か。
名残惜しそうにため息をつくと、グラスレイは手のひらの動きを止めた。
もう片方の手で一つをつまみ上げ、
ちょっと考えた後で、やっぱり元の手のひらに戻した。
 レィレが眉間にしわを寄せたのはほんの一瞬。
グラスレイはその丸い物を二ついっぺんに口の中に入れた。
 二つのうちどちらかだけ、なんて選べるはずがなかったのだ。
 口の中に広がるミルクチョコの味。
今度は口の中で数回転がした後、思い切ってそれを軽く噛んでみた。
ぱきりと言う小さな産声と同時に、
口の中にとろりと広がったのはキャラメルの味。
グラスレイの口は再び歪んだ。
 なるほど、半熟だ。


 二つのたまごを完食し、幸せそうにグラスレイは溜息をついた。
仮に今の彼が背後から誰かに斬りつけられたとしても、
何ら悔いは残らないだろう。それほどまでに良い笑顔だった。
 そんな様子を丸くなりながら見つめる猫が一匹。
彼女の顔もまた、何だかもの凄く爽やかだった。

「良かったですね。例え義理とはいえ……
 三個も、貰えたんですからね。三個も」

 そして尻尾でぱたぱたとある方向を指す。
その先を見た途端、グラスレイの笑顔は凍り付いた。
何の変哲もない平原の真っ直中に、
ドライアイス宜しくもくもくと煙が上がっている。
その煙の色はなんだか青とか紫とか、
その辺のおどろおどろしい色が素敵に混ざっていた。

「女の子から受け取った自信作ですから、
 食べないわけにはいきませんよね?」

 ごくり、と生唾を飲む音が辺りに響く。
それは、どういう方向で自信作だったのだろう。
そんな質問は許されるはずがなかった。
 ゆっくりと歩み寄り、煙の中からそれを取り出す。
ずしり、と骨に響く重さだった。
 そういえば、あるくせ毛の人が異性から貰ったのは重みが違うなどと叫んでいたが、それは正しくないようだ。
性別によって大きく分けられるようなようなものではない。
人によって、それこそ天と地の差ほど違ってくるのだ。
 じっと、手のひらに乗ったその黒い物体を見つめていた。
このまま乗せておけば、
いつかその重みで手のひらに穴が空くんじゃないだろうか。
再び生唾の音が弱々しく響いた。
 これは、彼女の愛の重みなのだろうか。
 それとも、俺の命の重みなのだろうか。
グラスレイはじっと、その黒い物体と見つめ合った。

 まるで恋に落ちたかのように、心臓が脈打つ間隔が短くなっていく。
妖しく立ち上がる煙は、彼の思考回路を焼き尽くしていく。
グラスレイの目はもうこの世を見てはいなかった。
ぼんやりとした頭で、自分の手がひとりでに唇に近づいていくのを感じた。
目の前の世界が煙でかき消されていく。
 その煙が晴れた時、一瞬だけ彼の目に人の顔が見えた気がした。
それは汚れ一つない、純白の笑顔だった。


 そんな様子を猫は丸くなりながら見つめていた。
崩れた遺跡の天井から、暖かな日差しが差し込んでくる。
そこから入り込んできたのだろうか、
小鳥達がこの大きな鳥かごの中で子守歌を歌っていた。
彼のように一眠りするのも悪くはないだろう。
 一つあくびをして、レィレはさらに小さく丸まった。

 

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