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FalseIslandという定期更新型ゲームに参加中の、リコ・メルシェ(1227)の日記の保管とかPLの戯言とかです
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「むぅ……見あたらない」

 いくつもの名前が並べられた二つの紙を見比べて、金髪の少女は唸った。
 一枚はこの島に訪れた招待客のリスト。
どういう経緯でどんな人物から手に入れたとか、
そんな小さなことを気にしてると大きくなれないらしい、ちょっと曰く付きのリストだ。
 もう一枚は、数名の人物の名と特徴が書かれたメモ。
かつてこの島の探索に携わっていたという人物から受け取ったモノだ。
何でも彼が島を探索していたときに知り合った人物に伝言を送って欲しいのだという。
 どうして彼自身が渡しに行かないのかとか、
どうして彼が今探索を止めているのかとか、そんなことはあえて聞かなかった。
依頼というのはそういうものだし、そもそも聞いたところで彼女には関係のないことだったからだ。
加えて、最近はあまり人のことを詮索しすぎると、「プライバシー」という魔法で攻撃されると言う話もある。
その少女、リコは魔法が苦手だった。未知の魔法なんて特に怖い。

「どうする、シャルロット?」

 そう呟きながら、彼女の手は隣に佇む白馬を撫でる。
呟いたからと言って、返事が返ってくるわけではない。
その白い馬は小さく尻尾を振っただけだった。

「そうね……早速だけど、『アレ』を使うべきかしら」

 その手をシャルロットの背に乗せたまま、少女は空を仰いだ。
鉛のように重く、今にも落ちてきそうな空だった。
『アレ』はまだ、使い方を教わったばかり。実際に試したことはない。
そもそも、その効果に対してどれだけの副作用があるかもわからないのだ。
こんな如何わしいパーティ会場で使うべきではないのかもしれない。
だが。
だが、依頼は守るべきだ。
約束も守れないような人間は、騎士の風上には立てない。

「シャル……一緒に祈ろう。オリフェンドールに、祈るの」

 そう言って、招待客のリストを強い眼差しで見つめた。
大丈夫。私にはシャルロットがいる。
今までだってどんな困難も彼女がいれば乗り越えられてきたじゃないか。
彼女さえいれば、私に怖いモノはない。
リコはそのリストの一番上に刻まれた名に指を立てた。
かつての英雄の名を胸に刻みながら。



「どーれーにーしーよーおーかーなっ!
 えーゆーおーりーふぇんーどーるーのー……」



それから暫くの間、遺跡外には少女の叫び声が響き渡ったという。


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