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FalseIslandという定期更新型ゲームに参加中の、リコ・メルシェ(1227)の日記の保管とかPLの戯言とかです
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 白馬の王子、と言う存在を皆さんは知っているだろうか。
私もこの島に来るまでその存在は知らなかった。
事実、その話を聞いたときには目を見張ったモノだ。
 なんでも彼らは突然女性の前に現れて、嫁として彼女たちを連れて行くらしい。
それも誘拐などと言う危険な話ではない。
待ち望んだ女性の元にだけ、現れるのだそうだ。

「奇妙な話よね、シャル……」

 王族が身分を問わず女性の元に訪れるというのは奇妙な話だ。
だがそれ以上に、この世界には一体どれぐらいそんな王子がいるのか気になる。
少なくとも、私の故郷にいた王子たちはそんなことはしていなかった。
いや、実際私は彼らの騎士ではなかったため、もしかしたら知らないだけなのかもしれないが。

 尤もその王子たちがどうであったかなどは小さな話だ。
世界は広い。待ち望む女性の数だけ現れると言うことは、それだけ多くの王子が必要だと言うことだ。
もしかしたら、一国全てが王族で構成されていて、王子が何万と存在する国でもあるのだろうか。
そのような場合、一体誰が王になるのだろう。何だか争いが熾烈そうだ。
 しかし。しかしだ。
それ以上に気になるのは、王子の数だけ白馬が必要と言うことだ。
本当に、それら全ての王子が白馬を手に入れられるのだろうか?
否、場合によっては白馬を持たない王子もいるだろう。
そのような彼らはどうする? 待ち続ける女性の元に辿り着けない。
 きっと、奪い合うのだ。彼らは王になる以上に、白馬の王子に成らねばならない。
だからきっと、少ない馬を奪い合って、日夜血で血を拭うような争いが行われているのではないだろうか。

「もしも争いに敗れた王子たちが、それでも馬を諦められなかったら……」

 新たな白馬を探しに来るだろう。
他の王子達がまだ見つけていない、白い馬を。
私はシャルロットのたてがみをぎゅっと握った。
もしかしたらこの先、そのような王子にシャルロットが見つけられる可能性もある。
彼らは求めるのだろうか。彼らを求める女性のために。
私の馬である彼女を。
そんなこと、許せるはずがない。

「シャル……私はあなたを守るよ。
 白馬を持てない軟弱な王子なんて……追い返してやる」

 シャルロットは誰にも渡さない。
たとえそれが王族や貴族だろうと、譲る気など更々ない。
彼女は私の分身だ。
同じ日に生まれ、いままでずっと同じ時を生きてきた。そしてきっと……。
 私には白馬の王子など要らない。むしろ、シャルロットを連れ去るのならばそれは敵だ。
私はシャルロットがいるだけで満足なのだ。
いや、違う。

シャルロットだけがいることで、満足できるのだ。
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