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FalseIslandという定期更新型ゲームに参加中の、リコ・メルシェ(1227)の日記の保管とかPLの戯言とかです
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トランペットの音は闇と共に消える



「おばえ、ぐらいの、嫌いか?」

 誰もが寝静まった遺跡外。
その闇の中を、囁くように甲高い声が響く。
その声はある宿屋の一室にあった。
 ここがかつて名も無き島だったのはかつての話。
今では果敢に遺跡に立ち向かっていく戦士達をターゲットとした、あらゆる商売が成り立っている。
保存食を作る職人、薬を売る者、この島にいるのは戦える者だけではないのだ。
これもそんな風にして冒険者達から稼いでいる商売の一つらしい。

「おばえ、せまいの、嫌いか?」

 再び静寂が破られる。
その声の主は、小悪魔。
つい先日グラスレイ達と遭遇した、小悪魔だ。
だが、見たところ彼の周りに問いかける対象はいない。
その部屋の主達は既に寝静まっていて、話しかけたところで起きる気配がないからだ。
連日の戦いによる疲労は、簡単には取れることはない。
 では、彼は一体何に語りかけているというのだろう。
暗闇の中、彼の手が前に向けられた。

「おばえ、おでに闇、渡す。
 おで、おばえにぢから、やる。
 おばえ、自分で殻、割る。おでもおばえも、幸せ。」

 その言葉に続いて、小さな叫びが轟いた。
夜の闇の中に、それよりも黒い何かが浮かび上がる。
 それはまるで吹き出したガスのように辺りに現れ、小さな雲の塊のようなものを作り出した。
ふわふわとそこに浮いていたそれは、ゆっくりと小悪魔の手のひらへ動いていき、そして、消えた。
暫くして小悪魔は、何かを確かめるように一つ頷いて、そして不可解な言葉を呟き始めた。
 暗闇の中を、微かに光が照らし出す。
そこには淡く光る魔法陣と、その上に小悪魔。
そして、グラスレイ達が保持している日記帳が宙に浮いていた。

「おばえ、闇使うの下手。でも、光、使えそうな気がずる。
 だからおで、お前に光、やる。おでには、いらないもの」

「……誰!?」

 ようやく部屋の異変に気づいたのか、猫が飛び起きて叫んだがもうすでに遅く。
静まり返った闇の中で、彼女はただ何かがひび割れる音を聞くだけだった。
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